口腔内、とくに上下の顎の骨の構造・機能は、全身の構造・機能と密接に関係しています。
そうした考え方から、二本の足で立って歩く人間にとって、歯・上下の顎骨・舌、また「咬み合わせ」にバランスを保つ重要な役割がある点を重視し、治療に応用したものを「直立歯科医学」といいます。
詳しくは別項で説明しますが、単に歯だけを治療するのではなく、咬み合わせなど口腔内全体を診て、さらに全身とのバランスを考慮して治療を進めていくのがこの歯科医学の特徴です。
私は20年ほど前に、「体にとって正しい顎の位置がある」と題した、当時の丸山咬合療法の講習会にて全身の健康とかみ合わせの関係性についての考え方に初めて出合いました。
衝撃とともに歯科医師として興味を惹かれる点が多くあり、以来私自身かみ合わせと全身健康について多くを学びつつ、知見を広め、勉強を続ける中で直立歯科医学という考え方に進化し、当院の診療の基本として治療に取り入れるようにしました。
その結果、歯の治療にとどまらず、首痛や腰痛、内臓疾患など全身の不調が改善・快癒していくケースを自ら多く体験してまいりました。
当院は、この「直立歯科医学」という考え方を治療の基本に据えています。
たとえば、むし歯になった理由を導き出し、そこから咬み合わせなど口腔内の状況と体との関わりの中で、全身の健康につなげるための歯科治療を行います。
それがよい意味で身体バランスを整えていくことにも結び付き、健康寿命、ひいては寿命そのものが延びていく。
そんな患者さまの人生に灯をともすような伴走者でありたいと願っております。